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​加曽利貝塚土器づくり同好会の活動拠点

加曽利貝塚土器づくり同好会 同好庵

​加曽利貝塚 土器づくり同好会

千葉県千葉市若葉区桜木8丁目33番1号

​加曽利貝塚博物館内

活動拠点:旧大須賀家住宅の並び「同好庵」とその周辺

土器焼成エリアと「同好庵」、左奥は旧大須賀家住宅。

​コロナ禍でもあり、活動は水曜日、土曜日、日曜日に限られています。
お出でいただいたときに、土器の制作過程や焼成などをみていただけることがあります。
​ご興味があればお越しください。

​同好会の設立目的

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​縄文文化の研究とその生活実体復元を通じて正しい歴史文化の理解を深めるとともに、会員相互の親睦を図ることを目的とする。(同好会会則から抜粋)

​同好会の歴史

​1969年(昭和44)に新井司郎氏を迎えて、縄文土器の制作技術の実験研究を開始しました。

しかし、1971年(昭和46)、研究半ばで新井氏が急逝され、その研究を引き継ぎ発展させるため、市民公募の体験学習「土器づくりの会」をはじめました。

しかし、粘土採集などの重労働の作業や、本物の土器のレプリカづくりに魅力を持った人たちの毎回参加で、より多くの人々を受け入れることができず、参加者が独自に「土器づくり同好会」を結成しました。

1974年(昭和49)の結成から現在まで(2017年)、メンバーは少しずつ変わってますが、常に100名前後の会員で運営しています。

​縄文に魅せられ、土器の世界にドップリと浸かった人たちの集まりです。

​同好会のメンバー

メンバーが一堂に会することは少ないので、集合写真というものがありませんが、バス見学会の時に撮影したものを掲載しました。

​2016年7月 バス見学会 水子貝塚公園にて

入会のご案内(一緒に土器をつくりませんか)

同好会会則改定により、「市民土器づくり講座」受講の条件がなくなりました。
​入会の説明を聞きたい、入会したい方は加曽利貝塚土器づくり同好会へお越しいただき、会員に説明を求めてください。本サイトの「入会のご案内」(準備中)に簡単な説明があります。

 

入会は入会申込書を提出、入会費と年会費をお支払いいただくことで完了します。

(入会費は2020年現在で2000円(基本1回限り)。年会費は2000円で毎年ご負担いただきます。

​同好会の主な活動

バス見学会

同好会の参加希望者で縄文土器関係の博物館、資料館などに出向いて見学させていただきます。また、相手先のご協力のもと、土器の計測、写真撮影などを行います。

同好会作品展

一年に一回テーマを決めての作品展を開催しています。

出展物は、本物の土器を忠実に再現したものを展示しています。

夏休み小学生土器づくり教室

加曽利貝塚博物館が、千葉市の市政だよりなどで一般公募し抽選で選ばれた小学生の土器づくりをサポートしています。

市民土器づくり講座

加曽利貝塚博物館が、千葉市の市政だよりなどで年2 回(春、秋)一般公募し抽選で選ばれた一般市民の方々の土器づくりをサポートをしています。

土器焼成

小枝から大きな薪に点火して、熾(おき)を作ります。

その間に土器を十分に加熱乾燥させておきます。

乾燥した土器を熾の上に置いて焼成のタイミングを待ちます。

タイミングを計って土器の周りに薪を積み上げて本焼きします。

縄文スープの振る舞い

加曽利貝塚の貝層で一番多く確認されているイボキサゴを使って、イベントがあるときに土器で煮炊きした縄文スープを関係者や見学者に振る舞います。

薪づくり

月末の日曜日は共同作業日。

​薪づくりをはじめ、粘土の生成、清掃など会員各々がそれぞれのパートを担当して、日々の活動に備えます。

粘土づくり

重要な素材である粘土は、粘土層が見つかると採掘し、乾燥させます。

十分に乾燥させた粘土は、ゴミなどの不純物を取り除き粉末にしてふるいにかけ、粘土質に合った割合を計算して、山砂、水を混合、練りあげて粘土をつくります。

​縄文土器のできるまで

●粘土をつくる

01粘土層から粘土を採集する

※千葉県下では関東ローム層の下に20cm程度の粘土層がある

●土器をつくる

03粘土と砂をよく混ぜ、水を加える

※野焼きのため砂を混ぜる必要があります

02良質な粘土を選別し、天日で乾燥させた後、細かく砕く

04水分を調節しながら、よく練る。できあがった粘土はしばらく寝かせる

●土器をつくる

01まず円盤状の底をつくり、粘土紐を一段ずつ輪積みしていく

03かたちができたら表面を平滑に整え、縄を転がして縄文をつける

02粘土紐をしっかり接着させ、すき間を丹念につぶしていく

04竹の棒などを使って文様を描いて完成

●土器を焼く

01火床をつくる(熾をつくる)

薪を燃やして火床をつくり、土中の湿気を抜く。湿気が残っていると、土器が割れる原因になる

03熾の中に土器を置く

土器全体が素手で持てないくらいに温まったら、薪が燃えて熾火になった火床の中に置く

05土器の周りに薪を積む

土器が隠れる程度の高さまで周りに薪を積む。しばらくすると、熾火から薪に自然に火が着く

02土器の水分を抜く

十分に乾燥させても、まだ土器には空気中と同じ程度の水分が残っている。火床の周りで温めながら、さらに水分を抜く

04熾火の中で温める

急激に温度を上げると土器は割れてしまう。全体が黒くくすむまで熾火の中でじっくり温める

06一気に焼き上げる

炎の中の温度は900度近くまで上がる。炎に包まれた土器が一瞬、熱した鉄のように透き通った赤色に変わる

07焼き上げを確認して取り出す

ころ合いを見て焼き上がって赤褐色になった土器の状態を全体に焼きモレがないか確認し、土器を取り出す

​同好会へのQandA

●同好会に入会できますか

ご興味をお持ちで体験したい方は、どなたでも入会は可能です。詳細はこのページの上部に書いてあります。

●同好会の活動とはどんなことですか

定期的なイベントは作品展やバス見学会があります。

​本物の土器のレプリカ制作のため、勉強会や実験などを行なっています。

また、博物館主催の縄文土器づくり講座、小学生土器づくり教室などで制作の指導など、博物館のイベントの際に、​縄文スープなどを調理して参加者へ振舞っています。

通常(月曜日など博物館の閉館日を除く)は、土器づくり、土器焼成などを行っています。

粘土づくり、薪割り、清掃など適宜実施します。

●縄文土器はどのように作っているのですか

本物の土器を博物館、埋蔵文化財センターから年に数回4~5個づつ借り受け、先輩の制作技術を習得、指導を受けながら皆で制作しています。また、バス見学会などで、関係の博物館、資料館などを訪問して、土器を借り受け現場で計測、写真の撮影、形状や特徴の理解など行いライブラリーとして資料をストックしています。

これらの資料をもとに、縄文人が実施してきたと思われる粘土の配合、成形方法、施文、焼成加減など長年蓄積してきた方法をもとに制作することによって縄文文化の理解に努めています。

●土器の焼成に薪を使っていますがCO2排出などの環境問題は

土器製作の最終工程で焼成があります。焼成の熱源は加曽利貝塚公園内の木で枝打ちしたものや、伐採したものを薪に加工したものを使用しています。(廃物の利用)

また、一般的に薪の材料となる木の成長過程で吸収してきたCO2と燃焼によって発生するCO2の量が相殺されるという考え方があります。(カーボンニュートラル)

​焼成はなるべくまとめて実施するなどで、環境負荷を最小限に留めるようにしています。

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